【肩こり、不妊に対する治療】 松田 篤人 先生

  • by

症例)
20代女性

主訴)
肩こり、不妊

予診)
併存症:なし
既往歴:なし
服用中の薬やサプリ:なし
家族歴:なし
結婚:三年
大便:1日1回、やや軟便
小便:量(普通)、色(濃い)、回数(一日4・5回)、夜間尿(0回)
月経:順調(30日周期)、経血(多い、塊がある)
帯下:あり、量(多い)、色(濃い)
生活習慣:運動(5段階評価中2)、休息(5段階評価2)、食事のバランス(5段階評価2)
※五段階評価は、0が運動していない・休息取れていない・食事バランス悪い
身長:160㎝、体重56KG、血圧110/80、体温36.5℃

問診)
肩こり→後頚部から肩上部・肩甲間部に向けて疼痛。
不妊→体外受精移植を明日2回目予定。

検査)
脊柱(胸椎中部で右弯)
舌診(淡色、胖痕、薄白苔、舌下無し)
脈診(滑、腎虚)
経穴診(右雲門、右期門、両志室、膻中に圧痛)
腹診(全体的な圧痛あるが、特に鼠径部・恥骨上部・右季肋下が強い)

印象)
肝腎不調、下焦不利

治則)
調理肝腎、通利下焦

処方)
#1:百会、血海双、三陰交双、婦科穴右、還巣穴左(留針30分)
#2:上天柱双、肩中兪双(単刺)、仙骨刺絡抜罐

経過)
治療後に着床はしたが7週目で流産。現在、次の移植に向けて治療継続中。

考察)
初診時は翌日に移植を控えており、胞宮に対して血流を上げることに徹した。
病態的に全身性の気滞を基礎に上実下虚を呈しているので、頚肩部の凝りの解消は胞宮に対する血流改善のためにも有効と考える。

2診以降は、体調を整えることに第一目標に変更し、全身調整の治療に重点を置いている。

ほうしょう鍼灸治療院 松田 篤人 先生