2014年3月2日 千葉幕張の関東鍼灸専門学校へ東京九鍼研究会さんの午後部「研究会 特別講座」に招待され、王老師の特別講座が開かれました。
今年で3回目の特別講座 その内容は針灸上達のコツであり骨(コツ)、つまり私たち鍼灸師の「身柱」について。
私たちが上達するには1つ「本を繰り返し読むこと」。
私はお正月に1冊の本を読みます。その本は澤田健先生の本「鍼灸真髄」。
そして、彭静山老中医の本。この本は私のお薦めです、是非学んでください。
ですが、何よりも自分の中心として大切な石原先生の本を読み学ぶこと。
自分の柱として学んでいるものを基本とすることが重要です。
「繰り返し繰り返し、1冊の本を読み返す」。これをしてください。
2つ目「多針」。いっぱい刺すことではなく、「臨症経験が豊かな先生について、その臨床をしっかり見て勉強すること」。
それが一番の近道です。近くで勉強することが大切。
そして、なぜこのツボを使うのか?自分はこのような考えがある。その理由を聞くこと。
しかし、先生が正しいとは限らない。先生のように治療すれば治るとは限らない。
その理由、それは「先生の手とあなたの手は異なるから」。
絶対に先生と同じツボを使い、先生と同じ刺し方をすることは基本ですが、治療は自己流。そうすることで上達する。
先生が使わないツボだから、私も使わないはおかしい。それが正しいとは限らないのです。そのことについて一言「師より真理だ」。
3つ目は「医案を学ぶこと」。
鍼灸大成などの本に書いてある医案を読み覚える。
なかでも楊先生の医案を是非読んでください。
呼吸器疾患、消化器疾患、泌尿器疾患、精神疾患・・・。
五臓六腑との関わりや関係をよく覚えること。
鍼灸で重要なこと。それはポイントを知ること。
それを応用する。「その病は五臓なのか六腑なのか」。
それが分らないと弁証もできない。
必ずどんな病も五臓に戻って考える。
例えば、日本に来るには羽田空港・成田空港の2か所の空港が重要。
私の治療院へ来るには渋谷・品川・目黒駅を使えば早く来ることができる。
どこを使うか、どうやって使うか。それを覚えることが何よりも重要です。
そして、董師の特徴である3つの基本によって、さらに応用が可能になる。
それが、
1 多刺
2 骨刺
3 動針
これらを是非覚えて下さい。
一般論で治らないとき、これらの方法によって効果が7倍変わるのです。
胎位不正:至陰
口臭:大陵
鼻血:少商
打撲:承山
黄疸:後谿
瘧疾:間使
乳痛:少沢
小児:身柱
老人:命門
夜泣:中衝(便秘:四縫 ・ 風邪:三商)
そして、舌針についての実技と臨床実践を参加者の皆さんに。
最後はにこやかに記念撮影
そしてこの後、皆さんで美味しい食事と紹興酒をいただきました。
王先生が乾杯をする時、合言葉は「漢 おとこ」。
中倉先生と加畑先生は勢いよく飲んでいました。
また、飲ませ上手な石原先生。「今日はお酒を飲むのはやめときます」と言っていた王先生でしたが、いつの間にか利き酒会のようになり楽しく気持ちよい雰囲気に。
この不思議な温かい雰囲気はどこかで感じた事があるもの。
それは春の穏やかな風。
九鍼研究会の皆さんは、とても優しくて穏やかで柔らかい。
まるで春の風のように人を優しく包み込む。
皆さんと一緒に楽しい時間を過ごす時、学術の話をしなくても楽しい会話が飛び交う。
そして笑顔が絶えない。
「笑うこと、笑わせる」ことは愛があるからできることで、その優しさが自然に溢れている。
一緒にいる空間は、そんな愛に溢れた場所でした。
素晴らしい会にご招待してくださり、ありがとうございます。
来年度もどうぞよろしくお願いいたします。